動物愛護

福岡市 保健医療局生活衛生部 動物愛護管理センター 所長 吉栁善弘さん

福岡市 保健医療局生活衛生部 動物愛護管理センター 所長 吉栁善弘さん

福岡市では、ふるさと納税の寄付の使い道として、35種類(令和6年1月現在)の応援プロジェクトを用意しています。まちを応援するプロジェクトのひとつ「動物愛護」は、「人と動物との調和のとれた共生社会」を実現することを目的としています。いただいた寄付金は収容された犬や猫の医療費やミルクなどの物品、殺処分を減らすための取り組みに活用しています。

今回は「動物愛護」プロジェクトに携わる、福岡市保健医療局生活衛生部動物愛護管理センター所長の吉栁善弘さんに話を聞きました。

――動物愛護管理センターはどのような仕事をしていますか。

 福岡市の動物愛護管理センターは、東区蒲田の「あにまるぽーと(東部動物愛護管理センター)」と西区内浜の「ふくおかどうぶつ相談室(家庭動物啓発センター)」の2ヶ所の施設があります。東区の「あにまるぽーと」では、飼い主が飼育放棄した犬猫や飼い主不明の犬猫が収容されており、できる限り新しい飼い主へ譲渡したり、飼い主不明の犬猫は元の飼い主へ戻すようにしています。また西区の「ふくおかどうぶつ相談室」では適正飼育の啓発や猫に関する相談のほか、飼い主のいない猫がみだりに繁殖しないための「不妊去勢手術支援」に取り組んでいます。

ふくおかどうぶつ相談室(家庭動物啓発センター)

――寄付金の使い道「動物愛護」プロジェクトについて教えてください。

 「動物愛護」プロジェクトは、犬や猫の殺処分をなくすことを目的として平成22(2010)年に発足し、寄付を募るようになりました。その後、平成25(2013)年度からふるさと納税の寄付金の使い道のひとつになりました。年を追うごとに関心を寄せてくれる方が増え、令和4(2022)年度にはふるさと納税を通して2,000万円を超える寄付をいただきました。寄付金を使用したさまざまな取り組みのおかげで殺処分の数は年々減り、令和元(2019)年度からは犬猫の実質的殺処分※ゼロを継続しています。
※「収容中の死亡」や「重篤な病気等を理由とした殺処分」を除いた殺処分

――寄付金はどのように活用されているのでしょうか。

 いただいた寄付金は、主に3つの目的に使用しています。まず、動物愛護管理センターから譲渡する犬猫が新しい飼い主のところで最後まで飼ってもらえるよう、マイクロチップ装着やワクチンの接種、不妊去勢手術などを行い、譲渡の推進を図っています。

 次に、収容した子猫をボランティアの方に預けて育てていただく「ミルクボランティア事業」です。収容される猫の多くは、飼い主のいない子猫でほ乳が必要です。ミルクをはじめとする身の回りのものの費用に寄付金を活用しています。また預かり中の病気や体調悪化につきましても、健康管理だけでなく、預かり終了後の譲渡も福岡市獣医師会の動物病院が関わることで、ボランティアの方の安心につながっています。

 そして令和5(2023)年度から、飼い主のいない猫などの不妊去勢手術推進のために、寄付金を使用しています。飼い主のいない猫をこれ以上増やさないために、福岡市獣医師会や動物関係団体と連携しながら今後の事業を進めていく予定です。

――これからの取り組みについて展望を教えてください。

 飼い主のいない猫の不妊去勢手術支援を推進していくことで、飼い主のいない猫の繁殖を抑制し、収容される子猫の減少につなげていきたいです。飼い主のいない猫が増えないようになることで猫を原因とする近隣トラブルが減り、猫をはじめとする動物と人が共生できるようなまちづくりに繋がると考えています。

 

――寄付者の方にメッセ―ジをお願いします。

 福岡市では殺処分を減らしていくことに加え、「動物が周りにいてもいいよ」と思えるような、「人と動物との調和のとれた共生社会の実現」に取り組んでいます。動物愛護管理センターでは、みなさまの寄付を最大限に活かし、これからも「人も動物も住みやすいまち福岡」をめざしていきます。譲渡やミルクボランティアについて掲載しているホームページ「ずっといっしょ.com(外部リンク)」もぜひご覧ください。

お問い合わせ先

保健医療局生活衛生課

TEL:092-711-4273

E-mail:seikatsueisei.PHB@city.fukuoka.lg.jp