福岡市動物園

福岡市動物園 飼育員 (左から)福原晋弥さん、中島聖一さん

 福岡市では、ふるさと納税の寄付金の使い道として、「まち」、「文化とスポーツ」、「自然」、「くらし」をテーマに39種類(令和6年4月現在)の応援プロジェクトを用意しています。今回は、約100種、約450点の動物を飼育する「福岡市動物園」を応援するプロジェクトを紹介します。待望のアジアゾウの来園でますます活気づく動物園でどのように寄付金が活用されているのか、また現在のゾウの様子や公開予定などを飼育員の福原晋弥さん、中島聖一さんに話を聞きました。



※追記
 令和6年9月10日(火)11時頃に、福岡市動物園で飼育しておりましたアジアゾウのメス(12歳)が死亡しました。
 このゾウは、令和6年7月30日にミャンマーより福岡市動物園に到着した4頭のうちの1頭です。

 慣らし期間中であったので、皆様に十分会ってもらうことができず、募集していた名前も間に合いませんでしたが、
 ミャンマーからはるばる来園してくれたことに感謝し、心よりご冥福をお祈りします。

――ふだんはどのような仕事をしていますか。

福原さん)私たちは、主にアジアゾウを担当する飼育員です。2012年にアジアゾウの「おふく」が、そして2017年に「はな子」が亡くなって以来、福岡市動物園にはゾウがいなかったのですが、今夏2024年7月30日にミャンマーからアジアゾウ4頭が来園しました。オス1頭、メス3頭で、そのうちメス2頭は22歳と3歳の親子です。

中島さん)私は爬虫類や鳥類も担当しつつ、ゾウに関して今は、ミャンマーから同行している現地のゾウ使い・マフーと一緒に新しい環境に慣らしている状況です。ゾウ担当の飼育員と獣医合わせて6名が交代で世話をしていて、毎朝ゾウをゾウ舎から運動場へ出す、エサを与える、ゾウ舎を掃除するなどを行っています。

 

――今夏、ゾウ4頭を受け入れた経緯を教えてください。

福原さん)福岡市動物園とヤンゴン動物園は、「教育活動の推進、自然環境の保全、それぞれの国民が愛情をもって自然を敬い、野生動物の素晴らしさへの理解を深めることに主体的に取り組む」ことを共通の目的とした、動物分野の交流に関する覚書を2019年に結びました。この覚書に基づいて、絶滅のおそれのある動物の種の保全を目的にアジアゾウ4頭を受け入れました。

今後は、大学との連携による「調査研究」として、アジアゾウの繁殖生理に係る研究、飼育下アジアゾウの行動学的研究などの研究を実施しながら、ゾウの繁殖に取り組む予定です。

――現在のゾウの様子はいかがですか。 ※8月19日取材現在

中島さん)体調もよく、順調にこちらの環境に慣れてきていると思います。本格的な公開は10月末を予定していますが、公開前でもタイミングがよければ、運動場で遊ぶゾウの様子を遠くから見ることができます。

福原さん)私は「おふく」と「はな子」の頃もゾウの飼育を担当していましたが、今回来園した4頭は3歳から22歳と若く元気がいいため、楽しみながら世話をしています。

――ゾウエリアの見どころを教えてください。

福原さん)2023年3月に完成した新しいゾウエリアは運動場の広さが以前の約3倍になり、高低差13メートルの丘も整備しました。水浴びや泥遊びができる深さ3mのプールも設けるなど、ゾウが暮らしていた環境になるべく近づけるような工夫をしています。

中島さん)以前はメスのゾウ2頭でしたが、オス1頭、メス3頭になったことで、メスを中心に群れを成すゾウの行動も観察できると思います。

福原さん)普段はオスとメスを分けて飼育していますが、今後は繁殖も行っていく予定です。メス3頭のゾウの関係性も見ていておもしろいですよ。

中島さん)群れの中でのコミュニケーションも興味深いですね。鳴き声やボディランゲージに注目してみてください。
 

運動場のプールで楽しそうに泳ぐゾウたち

――寄付金の使い道「動物園」プロジェクトでは、寄付金はどのように活用されるのでしょうか。

福原さん)寄付金はすべて動物園で暮らす約100種、約450点の動物のエサ代に使用しています。動物それぞれの食性や嗜好に合わせ、また量や栄養価を考慮した多種多様なエサを与えています。

中島さん)特にゾウは体が大きい分食べる量も多く、1頭あたりのエサの量は約100kgと動物園でナンバーワン。生の草や干し草、野菜や果物、配合飼料が主なエサで、ゾウだけで年間2,300万円ほどのエサ代がかかると試算しています。

福原さん)日本のエサに慣らすことにも取り組んでいて、以前のゾウが好きだった「おから」を与えてみたのですが、まったく食べてもらえませんでした(笑)。今はバナナを一番好んで食べているようです。

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――寄付者の方にメッセージをお願いします。

福原さん)多くの方に元気な動物を観察してもらえるよう、日々飼育に取り組んでいますが、多くの動物の飼育や健康管理にはエサ代を始め多くの費用がかかります。いただいた寄付金は最大限に動物たちがよろこぶように使わせていただきます。

中島さん)動物園は子どもたちを中心に年間約80万人の方が来園する人気の施設です。動物園を応援していただくことが、子どもたちの学びの場への充実にも繋がると思います。ぜひ、これからも応援よろしくお願いいたします。

お問い合わせ先

住宅都市局動物園

TEL:092-531-1960

E-mail:fukuokazoo.HUPB@city.fukuoka.lg.jp