ふるさと納税を楽しむ

博多の石畳

口に含むとスッと溶ける生チョコレートのあの繊細な味わいをチョコスポンジ・生クリーム・バニラスポンジ・チョコムースの五層で仕上げ、ごく薄くチョコレートでコーティングされたチョコレートケーキです。
やっと形が保てるくらいのやわらかさに仕上げたデリケートなお菓子です。

有限会社チョコレートショップ

二代目オーナーシェフ 佐野 隆さん

「博多のチョコのはじまりどころ」としておなじみの「チョコレートショップ」の人気商品が、ふるさと納税の返礼品に仲間入りしました。約80年前に創業し、困難な時代もチョコレートづくりを諦めず、いまでは福岡市民なら知らない人はいないほど多くの人に愛される存在となっている「チョコレートショップ」。

老舗でありながら時代の流れに合わせて次々と新しい挑戦を試みる、オーナーシェフの佐野隆さんに、ものづくりや福岡・博多への想いを聞きました。

――「チョコレートショップ」について教えてください。

 当店は、先代の父・佐野源作が1942年に創業しました。旧帝国ホテルの見習いコックをしていた父は、ロシアの料理人が作ったトリュフチョコレートを食べておいしさに驚いたそうです。この味を広めたいと修業を重ね、「チョコレートショップ」を開きましたが、戦後まもなく、洋菓子店もない時代にチョコレート専門店が人々に受け入れられるわけもなく、店の経営は厳しいものでした。コーヒー1杯30円の時代にチョコレート1粒が80円だったので、買う人はなかなかいませんよね。それでも母が外で働いて父を支え、店を存続させていたのです。

 小学生の頃から“売れないチョコレート屋”を手伝ってきた私は、後を継ぐことはないと思っていました。ところが、福岡を離れて神戸のベーカリー「ドンク」で働いていた時、私が作るチョコレートがおいしいと仲間内で評判になったのです。手伝っているうちに自然とチョコレートづくりが身に付いていたんですね。その頃から、少しずつチョコレートづくりへの想いが芽生えてきました。家業を継ぐことを決めた私は修業のためスイスへ向かいます。帰国後、改めて父の仕事を間近で見ることで、小さい頃は気づかなかった職人としての信念や誇りを感じ、父の偉大さに気づいたのです。

 私が「チョコレートショップ」を継いで約40年になります。創業から80年以上が経ち、“老舗”と言っていただくこともありますが、信頼と歴史を守りながらも新商品の開発やレシピの改良、新しい取り組みへの挑戦などを忘れずに日々チョコレートづくりに励んでいます。娘の恵美子もショコラティエールの道を志し、2017年に「LES TROIS CHOCOLATS PARIS(レ トロワ ショコラ パリ)」をフランス・パリに出店しました。

――「チョコレートショップ」の商品について教えてください。

 当店を代表するトリュフチョコレートをはじめ、生チョコやチョコレートを使ったオリジナル菓子などさまざまなチョコレートをご用意しています。また、季節やイベントに合わせたケーキ、焼菓子やギフトなども手がけています。
 

 お菓子作りに使うのは世界中から厳選した鮮度の高い素材です。チョコレートづくりに欠かせないカカオはアフリカ産のほかに、インドネシア産などアジアのものも増えてきました。当店もベトナムの自社農園でカカオの栽培を行うとともに、発酵具合の比較なども行い、商品づくりに活かしています。また、労働環境に配慮するなどエシカルなものづくりを行う農園のものをなるべく選ぶようにしています。そういった農園は小規模のところが多く品質が粗いこともありますが、そこは技術でカバーするのが私たち職人の役割です。届いたものに合わせてレシピを調整するのも、やりがいや腕の見せどころのひとつですね。

そして、当店のチョコレートはブレンドが決め手です。どこにもないものを作りたいという思いから数種のチョコレートをブレンドし、「チョコレートショップ」だけの味を作り上げています。

 また、安心・安全であることを第一に、保存料や添加物を使わない商品づくりを行っています。防腐剤などの添加が当たり前だった時代でも、父は一切使用することなく、チョコレートを作っていました。私も親になって子どもたちがおいしいと言って食べる様子を見た時に、改めて父の信念を守ろうと思ったものです。

――福岡市でものづくりを行うことに、どのような想いをもっていますか。

 福岡・博多で創業し、家族だけで営んでいた小さなお店でした。まずは隣の人、そしてまちの人、地域の人と少しずつ周りの方が認め、応援してくれたおかげでいまがあります。感謝してもしきれませんし、その思いに応えるためにいいものを作ろうと研鑽しています。「博多のチョコのはじまりどころ」という当店のキャッチフレーズにも、博多への誇りや感謝の気持ちを込めています。また、私が職人である以上、目の届く範囲でやりたいということや、地域へ貢献という意味も含めて、国内では福岡市だけで店舗を展開しています。海外に行っても、メイドイン福岡やメイドイン博多であることをアピールしているんですよ。

――「チョコレートショップ」のふるさと納税返礼品について教えてください。

 「博多の石畳」は約25年前に誕生した、チョコスポンジ、生クリーム、バニラスポンジ、チョコムースを重ねた5層のチョコレートケーキです。当時、チョコレートケーキというと重く感じるものが多かったのですが、軽やかに仕上げているのが特徴です。以降、少しずつレシピを改良しながら長年多くの方にご好評いただいています。表面がでこぼこしているのは、私が子どもの頃、路面電車が走っていた博多の石畳の道をイメージしています。

 「博多ハニーレモン」は、博多生まれの蜂蜜「博多ハニー」と糸島産レモンを使用したトリュフチョコレートです。「博多ハニー」のおいしさと香り高さにほれ込み、いまでは「チョコレートショップ」本店の屋上でも日本ミツバチの養蜂をしています。糸島の農家の方が育てるグリーンレモンと「博多ハニー」を合わせた、福岡ならではのチョコレートです。
 

――寄付者の方にメッセージをお願いします。

 博多で生まれ、育ったお菓子屋です。博多の心意気を大切に、100年をめざしてこれからもがんばっていきます。ぜひ、博多の味をみなさんで味わってください。

お問い合わせ先

チョコレートショップ本店

〒812-0024 福岡市博多区綱場町3-17

TEL:092-281-1826(代表)/ 0120-07-1826(フリーダイヤル)