――「大東園」について教えてください。

　当店は昭和45（1970）年に博多区に創業し、来年創業55周年を迎える焼肉店です。品質の高い牛肉はホテルのレストランくらいでしか食べられなかった時代から「最高のおいしさをできるだけお安く」という理念を掲げ、厳選した牛肉をお客さまにおいしく食べていただけるよう努力してきました。
　おかげさまで多くの地元の方々から支持をいただき、この場所でお客さまを迎え続けることができています。祖父と父が守って来た想いを受け継ぎ、2年前から私が代表を務めています。

　当店で扱う牛肉は、九州産の黒毛和牛にこだわっています。佐賀県伊万里市や鹿児島県をはじめとする肥育農家の方々とコミュニケーションを取りながら良質な食材を求め、私と料理長、チーフで品質を見極めたものだけを使用しています。何よりも味が一番という想いを大切にし、焼肉に加えてサイドメニューにも手をかけています。

　地元の方はもちろんですが、福岡に来た際には当店で焼肉を楽しむという遠方からのお客さまも多く、東京や大阪に出店のお誘いをいただくこともありましたが、福岡市のみで営業を続けています。
　ただ「大東園の味を自宅でも楽しみたい」というお声をたくさんいただいたこともあり、お店の味をそのまま楽しんでいただけるようにサイドメニューを中心とする通信販売も行っています。

――「博多ユッケジャンスープ」について教えてください。

　サイドメニューのなかで一番人気が高いのが、私たち家族のルーツである韓国を代表する料理のひとつ、ユッケジャンスープです。もともとは父の家に伝わるユッケジャンスープをベースにしていましたが、長年提供する間に味の改良や素材の追求が進み、本場以上の味に進化してきたと自負しています。
　博多にいるからこそ仕入れられる九州中の食材を使い、また、地元のお客さまからの要望に耳を傾けたことでいまのおいしさがあることから、博多で育ったという意味を込めて「博多ユッケジャンスープ」という商品名にしています。

　以前は焼肉用の牛肉の切り落としを使っていたのですが、人気のあまり追いつかなくなり、現在は焼肉と同じくお店で提供する上質の黒毛和牛から切り出してスープ用に使用しています。時間をかけてじっくりと煮込み、和牛のうまみを引き出した濃厚でコクのあるスープがおいしさの決め手です。そこに天日干しした唐辛子を加えると、スープは鮮やかな赤い色になり、まろやかで深みのある辛さ、ほんのりとした甘みが加わります。

　韓国では牛肉のほかにゼンマイを具材として加えることが多いですが、柔らかい和牛との食感を揃えるために当店では干しズイキを使用しています。そのほかにブナシメジや玉ネギなどの野菜もたっぷり。素材の味を生かした具だくさんの“食べるスープ”としてお楽しみいただけます。

　お届けする「博多ユッケジャンスープ」は、通常メニューでお出ししているスープを急速冷凍したものですので、解凍後に湯煎で温めるだけでお店と同じ味をご家庭で味わっていただけます。熱々のスープをごはんにかけ、クッパとして召し上がるのもおすすめです。

――福岡市でものづくりを行うことに、どのような想いをもっていますか。

　私自身、幼い頃から博多で生まれ育ったので福岡への想いはとても強いものがあります。おいしいものがたくさんある福岡で「大東園」を長年続けられているのは、福岡という土地が育ててくれたから。味に厳しい福岡のお客さまによろこんでいただきたい、また遠方のお客さまが福岡に来る楽しみのひとつにしてもらいたい、そういった想いをもって私たちは成長を続けることができています。
　また、この土地には歴史ある会社や店舗も多く、学ぶべき先輩方が多い環境もありがたいことだと思っています。

――ふるさと納税の寄付者へメッセージをお願いします。

　私たちを育ててくれた福岡市にふるさと納税の寄付をご検討いただいていることがうれしいですし、まず感謝を申し上げたいと思います。妥協なくこだわった素材を使った当店の料理は、何より味に自信がありますのでぜひ召し上がっていただき、満足していただければ何よりです。